Research Theme 01 問題解決プロセスの体系化 梅田研究室
生産システム運用時の稼働データ分析過程、分析ロジックの記述・知識体系化
生産現場から得られる稼働データをどのように分析し、改善につなげるか、そのプロセスとロジックを明確に記述し、再利用可能な知識として体系化します。


東京大学が提唱する “デジタルトリプレット”。それは第4次産業革命の中核をなすデジタルツイン技術に、専門領域の深いナレッジを組み合わせることで大きなインパクトを生み出す価値創造モデルのこと。それを ”工場” に実装することをめざします。
日本の製造業がこの100年で積み上げたナレッジと、東大の持つ最先端のAI研究。その掛け算によって、世界を凌駕する産業競争力を生み出す基盤を構築します。日本の製造業が、この先の100年も世界をリードしていく存在であり続けるために。
生産現場ナレッジを蓄積し引出せる仕組みを構築構築した仕組みを社会へ提供し、日本製造業の競争力強化へ貢献。



日本のモノづくり現場には、長年にわたって蓄積された生産実績や設備稼働履歴といった構造化データから、熟練者のスキルやノウハウのような非構造化データまで、膨大かつ多様なナレッジが活用されずに眠っています。私たちは、この中から有益な情報だけを抽出し、AIが扱いやすい構造にする “体系化” を進めています。
そして現場の困りごとやニーズに応じて、現場からも必要なデータを自動抽出し、AIが精度の高い仮説や最適解を返してくれる “分析・推論モデル” の構築も進めています。さらに、様々な業態の工場に応用範囲を広げていくことで、いつでも、どこでも、だれでもリアルタイムに問題解決できる “次世代モノづくりインフラ” へと昇華させていきたいと考えています。
これらの研究を通じて、東京大学構内に日本初のLearning Factoryを設置し、モノづくり現場のリアルを実践的に学びつつ、AIを駆使できる次世代のモノづくり人材の育成に取り組んでいます。
図内 ※1:実際の製造現場を模した環境で、モノづくりに関する実践的な知識・技能・課題解決能力を体系的に習得できる場
生産現場から得られる稼働データをどのように分析し、改善につなげるか、そのプロセスとロジックを明確に記述し、再利用可能な知識として体系化します。
センサーデータや画像などの詳細な稼働情報と、現場に蓄積された各種データ、さらに生産工程や設備のモデルを統合し、AIを用いて有益な情報を抽出します。それを踏まえて、生産上の異常原因やその対策案を自動的に分析・推論する技術を開発します。
開発した知識モデルや蓄積した知識を常に最新の状態に保ち、生産システムが持続的に進化・発展していけるような、効果的なモデル管理および知識管理の手法を構築します。
本講座で得られた研究成果を整理・体系化し、ラーニングファクトリーを活用して、AIやデータを活用した未来のモノづくりを担う人材を、育成するための教育プログラムとして展開していきます。